行方不明の相続人がいる場合の相続手続き

相続

実際の事例

佐藤さんは、父が亡くなった後に遺産相続の手続きを進めようとしましたが、兄が長年音信不通で行方不明であることが問題となりました。相続手続きを進めるにはすべての相続人の同意が必要ですが、兄と連絡が取れず、手続きが停滞してしまいました。


問題点

  1. 相続手続きの停滞
    • 行方不明の相続人がいると、相続人全員の同意が必要な遺産分割協議を進めることができず、手続きが停滞します。これにより、相続手続きが長引くことがあります。
  2. 相続財産の分割が困難
    • 相続財産を分割するには、すべての相続人が関与する必要がありますが、行方不明の相続人がいる場合、その行方不明者のための手続きが別途必要となります。このため、他の相続人にとっても負担が増します。

解決方法

  1. 相続人の捜索
    • まずは、行方不明の相続人を探し出す努力を行います。戸籍謄本や住民票の追跡、SNSやインターネットを利用した情報収集、探偵事務所への依頼など、さまざまな方法で所在確認を試みます。
  2. 不在者財産管理人の選任
    • 行方不明の相続人が見つからない場合、家庭裁判所に申し立てを行い、不在者財産管理人を選任してもらうことが可能です。この管理人は、行方不明の相続人に代わって遺産分割協議に参加し、相続手続きを進める役割を担います。
  3. 失踪宣告の申し立て
    • 行方不明の相続人が長期間(通常7年以上)行方不明である場合、家庭裁判所に失踪宣告を申し立てることができます。失踪宣告が認められると、その相続人は法律上死亡したとみなされ、相続手続きを進めることができます。
  4. 専門家への相談
    • 行方不明の相続人がいるケースでは、手続きが複雑になるため、司法書士や弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家のサポートを受けることで、適切な手続きをスムーズに進めることができます。

行方不明の相続人がいる場合、相続手続きは通常よりも複雑で時間がかかることが多いです。しかし、適切な手順を踏むことで、問題を解決し、相続手続きを進めることが可能です。まずは行方不明の相続人を捜す努力を行い、必要に応じて不在者財産管理人の選任失踪宣告を活用しましょう。手続きが難しい場合は、専門家に相談することがスムーズな解決への近道です。

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